タイトル | : ブレーキパッドについて・・詳しい解説講座 |
投稿日 | : 2005/10/12(Wed) 15:09 |
投稿者 | : Mr,全噴 |
まずHPのパーツカタログをご覧になって下さい。
メカドックでもオリジナルのアクレパットを出している
のでこの質問は愚問だとは思いますが!?(−_−;;
・RSファクトリーSTAGEオリジナル S500
・マルハ SS−27
ここら辺のパットで検討している?!という事は予算は
片パット1万円以下でお考えなのでしょうか?
もしそうなら正直に言って僕には解りません。
「解らない」理由としては、僕がプライベーター時代か
ら1万円以下のパットを使った事が無いからです。
値段にコダワル訳ではないですが、ストリートで初期制
動が良くてフェードし難いパットを選ぶとどうしても1
万円以上になってしまっていましたから!
これを期にブレーキの制動についてのウンチクを述べた
いと思います。
僕はプライベーターの頃から車をイジる前には必ず
「止まる」を真っ先にチューンします。
車速の加速度が上がると制動距離は想像よりも伸びて止
まらなくなります。
止まらない!…という事は事故にも直結します。
自爆ならまだしも他車に追突したりしたら…(**;;
そう考えると恐いので、セッティングのみで依頼が来た
車輌でもブレーキの効きが悪い車はお断りするくらいブ
レーキに関しては気を使っています。
パットの性能は耐久温度が一つの目安になるのですが
安いパットは60〜80kmで急ブレーキを掛けた時に
は効きが良くても、160〜180kmでは温度が50
0度を超えるので効かないパットが大半です。
「そこまで出さない!」と思うかも知れません。
でも良く考えてみて下さい。
今まで使っていたパットの残量が少なくなって来て同じ
パットの新品に交換すると「やっぱり新品は効くなア」
と思った事はありませんか?
これはパットの材質が熱によって炭化していたり、残量
が少なくなった事で放熱効果が少なくなってしまい効か
なくなってしまうんです。
「制動力」という物は「熱変換」によって決まります。
パットがローターを挟んで発熱し、パットの接触面の温
度が上がります。上がりっ放しだと効かなくなるのは想
像出来ますよネ?
じゃあどうするのか?というとその熱を放熱し冷してや
り、また発熱させる!この繰り返しでブレーキの効きが
良くなる訳です。
ローター径を大きくすると効きが良くなる!
これもローターが冷える面積が多くなり放熱効果が上が
るからです。
この他にもローターにスリットを入れて熱くなった部分
のパット表面を削る事で放熱する方法もあります。
この「発熱」と「放熱」を繰り返しているとパットの材
質が変化してしまい制動力が落ちてしまいます。
パットの横の部分でも放熱しているので残量が半分くら
いに少なくなって来ると放熱効率が悪くなりブレーキが
効かなくなる原因でもあります。
安いパットは生産コストも抑えないといけないのでこの
熱変化による耐久性は追及出来ません。
新品に交換すると制動力が良くなるのはこれらが原因な
のです。
「じゃあどんなパットが良いのか?」
誰しもがそう思っているでしょう!?
SHOPのチューナーやメーカーも同じ事を考えている
のでオリジナルパットが出ている訳です。
それぞれに低価格重視の物や耐久性重視の物、制動力重
視の物など様々です。
ドライバーも違えばブレーキの踏み方や制動の好みも違
います。自分に合ったパットというのは使って見ないと
解りません。
ここでメカドックのオリジナルパットについて説明させ
て下さい。
オリジナルのアクレパットは
@制動力
A耐久性
B操作性
C低コスト
の順で開発しました。
テスト車輌は皆さんご存知の「赤いハードトップさん」
のNA8ターボです。この車はATなのでMTよりエン
ジンブレーキが効かず、車重も200kg重いのでブレ
ーキングでの発熱が異常に高くなります。
最初はエンドレスやロッキードなどの高価なレースパッ
トを使っていましたが、街乗りでは初期制動が無く、1
回サーキットを走ると熱変化で炭化し終わってしまうの
で毎回交換!とコストが掛かっていました。
そこでフォーミュラでは有名なアクレに目を付けて使っ
て見たのですが…!!
最初に薦められたパットは直ぐに終わり、2回目もダ
メ!3回目でエンドレス・ロッキードと同じくらいまで
持ちましたがそれでは変えた意味が無い!
この当たりからアクレが職人根性を出し始めてラインナ
ップには無い摩材を使ったパットを製作してくれるよう
になりテスト走行をするようになりました。
奥多摩有料道路や筑波の1000、しのい、日光で何度もテ
スト走行を繰り返していき、要約ストリート(街乗り)
でも使えるパット「ワインディングパット」が出来上が
りました。
しかし、このパットでも筑波2000やエビス西コースを走
行するとフェードしてしまい、「このパットでもダ
メ!」とアクレに報告し、今度はサーキット用の開発に
移りました。
またまた度重なる試作&実走テストを繰り返して煮詰め
て出来上がったのが「サーキットパット」です。
余談ですが、アクレがこのサーキットパットを他のSH
OPのロードスターに付けて走らせた事があります。そ
の時に
「制動が効き過ぎる」と言われたそうです。
「止まるのに文句を言われたのは初めて!」と飽きれて
ました。僕もそう思います。
参考までにメカドックのオリジナルアクレパットでの同
等品を書き込んで置きます。
ワインディングでは
・エンドレス M-sports〜TYPE NA-R
・プロミュー B-SPEC〜チタン改
・ロッキード TypeSX〜ZC
サーキットでは
・エンドレス CC-X/R〜TYPE MA11
・プロミュー レーシング777/999
・ロッキード TypeRC
これらとの値段を比べるとアクレのパットは安いとつく
づく感じます。
こんなに性能とコストが手頃の商品なのにメカドックの
パットは余り宣伝していません。
それは先にも述べたようにブレーキの好みは人それぞれ
だと思うからです。
開発に携わった僕自身は自信のある商品の一つですが、
僕がいいと思っても他の方が良いと思わない事もある!
と思うからです。
しかし、付けて見ないと解らない!という事も確かなの
で、タイムに行き詰まっている方やコーナーのブレーキ
ングが上手く出来ない方、コーナーでもっと突っ込みた
い方は一度「オリジナル・アクレパット」を試してみて
下さい。
値段を重視するならメカドックのパットは勿体無いと思
うのでお奨めするのはやめて置きます。
以上、Mr,全噴の長〜い講座を終わります。
最後まで読んで頂いた方々にお礼を申し上げます。
お礼に本日より10月31日までの間、このパットを試
して見たい方は
「パット講座を見た」と言って頂ければ定価より
20%レスにて販売致します。
在庫が無くなっても入荷次第お渡ししますのでこの機会
に是非試してみて下さい。